「倍率が1.0を下回っているなら、全員合格では?」
公立高校入試について、こう考えている人は多い。
しかしこれは、制度上は誤り。
実際の公立高校入試では、定員割れでも不合格者が出ることがある。
その理由は、
募集要項に明確に書かれている選抜ルールにある。
そもそも「定員割れ」とは
定員割れとは、
- 募集定員:100人
- 志願者数:95人
のように、志願者数が募集定員に満たない状態を指す。
ここで多くの人が勘違いするのは、
定員に空きがある=合格基準を下げてでも全員合格させる
という発想。
公立高校入試は、そういう制度ではない。
募集要項に実際に書かれている文言
多くの都道府県の公立高校募集要項には、
次のような趣旨の文言が明記されている。
「募集人員に満たない場合であっても、
選抜基準に達しない者は不合格とする」
言い換えると、
- 定員は「上限」であって
- 合格を保証する人数ではない
ということ。
定員=最低合格者数ではない。
不合格が出る具体的な仕組み
① 最低基準点(足切り)が存在する
多くの公立高校入試では、
- 学力検査
- 調査書点(内申点)
について、
**「著しく低い場合は不合格とする」**という基準がある。
これは点数として明示されない場合も多いが、
制度上の裁量として必ず存在する。
② 調査書点が選抜基準を満たさない場合
定員割れでも、
- 内申点が極端に低い
- 欠席日数が基準を超えている
- 評定に重大な問題がある
こうしたケースでは、
学力検査の点数に関係なく不合格になることがある。
③「全員合格」にすると制度が崩れる
もし、定員割れ=全員合格という運用をしてしまうと、
公立高校入試の制度そのものが成り立たなくなる。
具体的には、次の問題が発生する。
- 学力検査を実施する意味がなくなる
- 調査書(内申点)の評価が形骸化する
- 学習到達度が著しく不足した生徒まで入学する可能性が生じる
その結果、
- 授業が成立しない
- 進級・卒業に支障が出る
- 高校教育の水準を維持できなくなる
こうした事態を防ぐため、
公立高校入試では制度上、
「募集人員に満たない場合であっても、
一定の基準に達しない者は合格させない」
という原則が採られている。
定員は「必ず合格させる人数」ではなく、
**「最大で受け入れることができる人数」**として扱われている。
まとめ
- 定員割れ=全員合格ではない
- 公立高校入試では、定員割れでも不合格は制度上あり得る
- その根拠は、募集要項に明確に書かれている
公立高校入試は、
「人数合わせ」ではなく「基準選抜」。
倍率だけで安全・危険を判断すると、
制度の前提を読み違える。
まず確認すべきなのは、
その年の募集要項に何が書いてあるか。
それが、受験戦略の出発点になる。

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